防虫剤市場と種類

市場規模が250億円あり、季節指数としては4月~5月と10月の衣替えシーズンで高まる。
①主な衣類害虫
防虫剤が必要な理由は衣類害虫の幼虫が衣類を食べるのを防ぐためです。
防虫剤成分が、幼虫の食欲を減らす。
主な衣類害虫は、ガ類(イガ・コイガ)、カツオブシ虫類(ヒメマル・ヒメカツオブシムシ)
"イガ・コイガは約70日サイクルで世代発生は年2~4回
"
卵7日~10日間

幼虫イガ5週~8週、コイガ4週~6週

さなぎ7日~10日間

成虫7日~10日間

卵産むのサイクル。

ヒメカツオブシムシヒメマルカツオブシムシ約1年間で1サイクル
20日

幼虫約10か月

さなぎ20日

成虫20日~40日間

卵産むのサイクル。

②好む環境と衣類
気温15度以上で活動
(気温20度~25度、湿度60%の人が快適な環境で被害が起きやすい)
暗い場所を好む
※年間を通じて気温の変化が少ない現代の家庭環境では年中活発に活動している。
好物は、毛皮、絹、ウール、カシミヤなどの動物繊維。
綿や麻などの植物性繊維も食べる。汗や皮脂、食べこぼしなど汚れが栄養源に。

③どこからくるのか?
衣類などを外に干したときに成虫が誘引され衣類につき、家庭内へ。
家庭内の屋根裏や家具の裏などホコリがたまる場所に発生源になる。

④防虫剤の歴史
日本は衣替えの文化があり防虫剤市場が成り立っている。
平安時代に始まり、生活になじんだのは江戸時代の樟脳が使用され、一般的に広まったのは明治時代に樟脳が製品されてから。
大正時代にはナフタリン、昭和初期にパラジクロロベンゼン、1980年代にピレスロイド系を使用して無臭の防虫剤が誕生した。

⑤防虫剤成分の種類
1・ピレスロイド
特徴:ニオイがつかない
有効期間:約1年間
商品例:ムシューダ、ミセスロイド、ゴンゴン
2・パラジクロベンゼン
特徴:薬剤のにおいがあるが、効き目が早い
有効期間:約半年間
商品例:ネオパラエース
3・ナフタリン
特徴:薬剤のにおいは少ない、効き目も穏やか
有効期間:約半年間
商品例:パラゾール
4・樟脳(しょうのう)
特徴:独特のにおい
有効期間:約半年間
商品例:きものしょうのう

※それぞれの組み合わせに注意!
ピレスロイド系はどれも相性がいいがその他は併用すると変色やシミの可能性あります。

⑥防虫剤用途の種類
引き出し用・衣装ケース用(販売構成比50%)
洋服ダンス用(13%)
クローゼット用(24%)
ウォークインクローゼット用(5%)
生活様式の変化により洋服ダンスが減り、クローゼット用、ウォークインが伸長している。

⑦メーカシェア(主な商品名)
エステー52%(ムシューダ)
白元アース20%(ミセスロイド)
金鳥14%(ゴンゴン)
アース12%(ピレパラアース)